よく晴れた朝。エシャール達は屋敷の正門前にいた。何台もの馬車がすでに出発準備を完了させている。後はエシャール達が乗り込むだけだ。
 つい先日まで、偽の行政官が治めていた雲間の街に到着した。
「お姉様、もしかして双子なのではなくて?赤ちゃん」
 天帝の威光を示す、豪奢な造りの城門を潜る。聖都が初めてのアイーシャとセアラは、馬車から顔を出して門を見上げた。
「寝台と鏡台と…ああ、衣装を仕舞う棚もいる。早くしなければ、セアラの到着に間に合わぬ…」
 ゲディスの屋敷に到着したのは夜更けだった。疲れて眠ってしまったアイーシャを大切そうに抱きかかえて、エシャールは玄関に入った。
 そしてひとつ溜息をつくと、セアラに視線を移した。
 翌朝、謁見のための正装に着替えていたら医師の来訪を告げられた。
「祖父君。少しお話しがあるのですが」
 アイーシャの支度が手間取ることを考えて、エシャールは書斎のゲディスを訪ねた。ゼニスも一緒である。
 御曹司であった頃にただ一度だけ訪れた宇宙の宮。
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