結局ジュリアスは、海軍総司令部からそのまま帝都に戻って来た。宿舎の合鍵はダインが持っているし、問題はないと踏んだのである。
「着替えなさいね、ジュリアス。軍服はすぐにお洗濯に出しますから」
“中将閣下!最後尾の第四小隊が奇襲を受けて壊滅状態に!!”
 右腕に、クレスティアの重みが軽くかかる。
「もう…お怪我がひどくなってしまうわ、ジュリアス」
 息苦しい。
 何かに追われるように目を開けた。暗闇に目が慣れるのを待つ前に、ライターで火を灯し、そのままベッドを抜け出して部屋の明かりをつける。
「おはようございます、お父様」
「…おはようございます、侯爵」
 陸軍総司令部は、皇帝一家が住まう皇宮を守る役目を担い、皇宮の敷地の隣に設置されている。
 ゲノアはゴルデンとジュリアスが一服するのを見計らって、咳払いした。
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