今、皇帝ステファン7世からカストラル帝国全臣民に向けて、御言葉がくだされようとしていた。
「…」
 最後尾でジュリアスとダインのやり取りを見ていたロイドは、ダインに遅れを取ったことが素直に悔しかった。まだまだダインには敵わないことを思い知らされる。
 大広間の扉が開き、室内の視線が一斉にジュリアスに集まる。
「…ご母堂」
 不意に皇帝がクレスティアを呼んだ。
 すぐに執務室に行くのかと思ったが、ジュリアスは建物には入らずにグラウンドに向かった。
 扉の先には、先客がいた。ジュリアスは目を細め、それが誰であるのか気付く。
 まだ何かあるのだろうか。ロイドはいつものようにノートを片手に扉を開けた。
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