レジオノーラ、艦橋。
 ジュリアスの長靴の音が響いたのを聞いて、その場にいた全員が立ち上がり、敬礼の体勢でジュリアスを待った。
「東側と西側から挟み撃ちをしろ?レーヴェンローデ元帥は一体何を…」
 無線を切ったジュリアスは必死で笑いを噛み殺していた。肩が微妙に震えているので笑っているとわかる。
 ようやく判明した(というよりも理解できた)ジュリアスの作戦によって、第三元帥府はそれまでとはうってかわった機敏な動きを見せだした。
 共和国軍の司令官を捕捉したと、直属の部下である第一大隊長から連絡が入った。ジュリアスは珍しく、顔を見たいと言い出した。
 司令官を失った共和国軍だったが、何とか体勢を立て直し、全滅だけはかろうじて免れて退却していった。
 軽くうとうととしただけで、熟睡はできなかった。久しぶりに海の上で寝たということもあるが、頭の芯が冴えて、眠りに落ちることができなかったのである。
 共和国軍は、小型艦船だけで編成した部隊を帝国海軍が停泊している場所までゆっくりと進めていた。
 ジュリアスの予測は多分正しいのだろう。彼の予測がはずれた試しがない。だから間違いなく共和国軍はこの時間を利用して撹乱にやってくるはずだ。
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