なるべく人と接することのないよう、夜間に移動することにした。
 エシャールが目指そうとしている碧の都は、水の都からは聖都を挟んで真西にある。
 水の都からと空の都からの街道が交わる宿場町に入ったところで、エシャールは
旅人の噂話を聞いた。
 その夜。
 エシャールはアイーシャを背負って、馬を引いていた。
 エシャールの視線に怯むこともなく、頭領は相変わらずの口調で続けた。
 危うく盗賊にされかけたエシャールだったが、頭領が追いかけてくるつもりが
ないことがわかり、ようやく一息ついた。
 天帝の生誕を祝う祭りが、そこかしこで催されている。元々喧騒を好まない
エシャールは、いつも以上に不機嫌だった。
 暑い熱の月を、水辺を通ることで凌いだエシャールは、ゆっくりと碧の都に
向かっていた。
 夕の月も終わりに近づくと、木々が色づき始める。独りでいた頃には感じることの
なかった景色の変化に、アイーシャに語りかけることで気付いていた。
 碧の都の城門が見えてきた。夜間は城門が閉ざされるため、エシャールは近くで
一休みすることにした。
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