深夜。寝台に腰掛けたアイーシャの膝枕に頭を預け、エシャールは耳を澄ませていた。
 昨日まで降っていた雪は嘘のようにやみ、どこまでも晴れ渡った空が広がっていた。
 聖都神官庁管轄の教会の中で、最も古く、大きな教会。今はロディール教会と名がついているその教会で、今日の最初の儀式が始まる。
 最初に買った蒼い石の指輪は、右手に差し換えた。今日のために新しく用意した指輪を、お互いの指にはめる。
「ではまず新年の儀の前に、海の執政官家夫妻のお披露目といきましょうか。海の執政官殿。奥方を」
「ああ…はい」
 感激している海の都の民を前に、レオニードは不思議な気分だった。
 まだ新年に都中が浮かれている翌日、エシャールは正装で執政府に向かった。ゲディスやレオニードも一緒である。エシャールの補佐としてゼニスが文箱を持って従い、どうしてもと懇願するハワークも同行を許された。
「…何か言い分があれば、聞くだけは聞いてやるが?」
「では海殿、いずれまた聖都で会おうぞ」
 翌朝。
 ようやく取り戻した静寂の中で兄妹だけの朝食を楽しんでいると、ゼニスが食堂に入って来た。
長かったですね。
やっと終わりました。


第一部がね(爆)。

まぁ、全部が全部同じボリュームではなかったので、
読者の皆様には物足りない日もあれば
多いだろこれって日もあったのでは(笑)。
第一章と第二章はひとつにまとめてしまってもいいかなと
思っています。
そのうちに処理したいな。
で、とりあえず第一部が終わったので、
登場人物まとめますね。
ぼちぼちやっていきます。
第二部は、すでにプロットをたててますので、
ちゃんと更新していきますよ。
まだまだ続くエシャール達の物語。
よろしくお付き合い下さい。
とりあえず、第一部終了をご報告でした。
ようやく第一部が終了しましたので、
宣言どおり、登場人物をまとめていきたいと思います。
都ごとに(笑)。
 エシャールが海の執政官として本格的な政務を始めてから2ヶ月。地方行政府との関係も良好で、海の都の民はエシャールの治世に満足していた。
2006.06.13 第2部スタート
いきなり長いですか、第2部(笑)。
一応導入部ですので、このくらいでいいかなと。
いい加減レットのことも説明しておきたかったしね。
エシャールひとりでどれだけの仕事をするつもりなんでしょうねぇ(笑)。
自分で書きながら思いますよ。
でも完璧主義者のこの人は、人に委ねるのが好きではないので
こうなってしまうわけで。
こんな性格が徒にならないといいね、エシャール(笑)。
 エシャールが屋敷に戻ると、セアラが駆け寄って来た。そんな風に育てた覚えはないぞと言いたげに眉根を寄せる兄をものともせず、セアラが言う。
 食堂に入ると、セアラが席に着こうとしているところだった。
 海の都の雲間の街は、海の都で最も聖都に近い場所にあり、海の都の北門を守っている。海の都の民が聖都巡礼のために必ず通る街のため、辺境の街ではあるが、民はそれなりに潤っている。
「レット、誰をやるかの人選はそちに任せる。借款の額については今から執務室で算出する」
 雲間の街の行政官グーテを尾行せよと命じられたロッドは、派遣される仲間よりも先に海神の街を出た。
 男の言葉に笑い声さえあげながら、グーテが続ける。
「旦那様、ロッドより書状が届いております」
 エシャールはすぐに書状の作成に取りかかった。聖都の祖父ではなく、神官庁長官にあてての書状だ。
 マデルを見送り、エシャールが背もたれに寄りかかろうとしたところで、ディンとニールが入って来た。二人とも息を切らしている。
 ディンとニールがすぐに出発し、ロッドを追いかけた。レットも数名の部下を連れて雲間の街の手前の宿場町へ向かった。
 マデルからエシャールの書状を受け取ったゲディスは、延々と書斎で迷っていた。海神の街の孫が寄越して来た書状にはあまりにも衝撃的なことが書き連ねてあったからだ。
 セルディアスはゲディスを静かに招き入れた。
「ではすぐに孫に返事を書かねばならぬので、失礼する」
 一方、ロッドは合流してきたディンとニールと手分けをして偽グーテの身辺と、地方行政府内部の探索にあたっていた。すでに手前の宿場町にはレットと数名の護衛官が例の宿屋を見張れる建物を借り上げて本部を置いている。
 マデルがゲディスからの書状を持ち帰って来た。最後は走ったらしい。傷だらけの素足が痛々しい。エシャールはリリスにマデルの足の手当を命じて、ゼニスと執務室に入った。
 ニールがエシャールに報告書を渡している頃、レット達が見張っていた宿屋に偽グーテがやってきた。
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