緑の月に跡継ぎが生まれたばかりの泉の都でも、即位式への支度が始まっていた。
「セルディアス、マデレーナ、早く寝なさい!…どうしておかあさまの言うことが聞けないのかしら、もう…」
 天上。今日もカイゼルディアが天上の水鏡から地上の様子を窺っている。
 シュレーシアは杖を振り、水鏡を元に戻した。
 聖譜の間で、カイゼルディアはジークフリードが記した聖譜を読んでいた。
 カイゼルディアは大広間に戻り、ゆっくりと玉座に座り、瞑想に入った。
 エシャールがディースに命じていた剣が出来上がってきた。恭しく捧げ持って来たその剣に、エシャールは手を伸ばす。
「ところでエシャール。父から少し話がある。そちはあまり聞きたくない話とは思うが、落ち着いて耳を傾けてもらいたい」
「父上、では私のかけた術が完璧ではなかったということですか?」
2006.12.11 更新停滞中

え〜大変申し訳ないです。
引っ越したばかりでまだネット環境作ってないんですわ。
出来次第、更新します。
もしかしたら久々に職場で更新かもしれませんが(笑)。
ではでは。

「随分と長い時間、御光臨の間においででございましたね」
 エシャールは何となく、セルディアスに握られていた手に目をやった。そこにはアイーシャと永遠の愛を誓った指輪がまだ輝いている。
 セルディアスが大急ぎで書き上げた書状は、出発準備に追われているグロリアシーゼル夫妻のところに届けられた。
 聖都中に式典の始まりを告げる鐘が鳴り響いた。
 一通り儀式が終わり、カーテンが下まで下ろされた。向こう側にぼんやりと浮かび上がる蒼のローブはそれでも輝きを放っている。
 テラスの下には新しい天帝を一目拝もうと、巡礼達が溢れかえっていた。
 グロリアシーゼル夫妻の突然の来訪にレオニードは驚いたが、すぐに招き入れた。
 宇宙の宮は、静寂に包まれていた。即位式の喧騒も消え去り、ただ静けさが広がるばかり…。
「どうして予がそなたの記憶を封じたのか…予の真意を、もっと時間をかけて教えるべきであったな。…あの時は、なるべく早く元の生活に戻してやりたくて…子供達のところに戻してやりたくて…済まなかった」
 涙で瞳を揺らしながら、アイーシャが言う。
 本当は、父の手を煩わせたくなどなかった。自分の力で、何とかしたかったのだが…。
「父上、グロリアシーゼルの奥方は…」
 レオニードを見送ったエシャールは、至上御光臨の間に来ていた。
2006.12.27 さあ
最終章に入ります。
ほんの数話ですが。
1年以上かかった連載も、ついにエンディング。
あまり読者を裏切れなかったかなぁ…。
 どれほどの月日が経ったものか…。
 本当は、まだ執務は残っているのだが、エシャールはどうしても海の執政官家の長女の名前をアイーシャに伝えたかった。
2006.12.31 本編終了
長い長い物語がようやく終わりました。
一年以上かかったかな。
本当にお付き合いいただきありがとうございました。
心残りは最終回が446という非常にキリの悪い数字ってことくらいです(爆)。
いやまあそれはいいんですけども。
やっとエシャール達に平穏な日々が訪れたなといった感じです。
この状態になるまでに、やはり葛藤はあったと思います。
永遠を生きることは、決していいことばかりではありませんからね…。
それでもふたりなら、きっと乗り越えてくれるだろうと、その思いで
こういうエンディングにしました。
いろいろパターンはあったんですけども。
最悪のパターンを選ばなくてよかったかなと今は思います(笑)。
この後は、外伝という扱いで数話書きまして、
全く新しい小説をまた書こうと思っています。

今年も一年、本当にありがとうございました。
来る2007年が、皆様にとって素晴らしい年でありますように。
よいお年を。

2006.12.31 KIRIHARA
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