「全員、海岸線に戻ってくれ。まだまだ攻めてくるはずだ。機銃を増やせ。火炎放射機はないか?」
 王国軍の攻撃に堪え切れなくなると判断しかけたところで、背後が騒がしくなった。
 ほんの少しの時間だけ考え込んだアデネイドに、ジュリアスの声が飛んだ。
2007.04.03 はい、50話
早くも50話(笑)。
ていうか私は短編書けない体質なんでしょうか…。
どうしても大きくしたいらしい。
根底に流れるものがあって、
でもそれが決してエンディングというわけではないから、
いつまでたっても終わらないんでしょうな(笑)。
この話は前作のように、記憶が戻るものでも、
復讐を果たすものでもありません。
では、どんな話かと問われると…。
わははははははは(笑)。
「怪我人は最小限に食い止めることができた。特に第一、第二師団についてはセイジェル中将の指揮で戦死者も出なかった。陸軍にとってこれほど名誉ある勝利はなかったように思う。明日以降も王国軍を迎え撃つためにも、全員早めに休んでくれ」
 どれほど不利な条件が揃っていようと、敗色の濃い戦場に送り込まれても、ジュリアスは決して負けたことがない。
 勝つためにしか、戦わないのだから。
 背後の空気に気付いたジュリアスが、煙草に火をつけながら不思議そうに振り返った。
 今日と同じように人海戦術を取ってくるとは思えなかったが、センティア王国の海軍は経験上単調な攻撃が主なので、見当がつきにくかった。
「自分がしたくないことを部下や同僚に押し付けるのだな?お前は」
 言葉を封じられて辛そうなリスティに、滅多に見せない優しい顔をする。
「…お前のコーヒーは、ダインのよりうまいな…」
 翌日未明、海上にいる第三元帥府のケント中将から無線が入った。起きていたのは、ジュリアス一人である。
 第一師団と第二師団の総員が海岸線にズラリと並んでいた。昨日と同じように、ジュリアス自身も機銃の前に立っている。
 国境線での絨毯爆撃は見事にはまった。センティア王国陸軍は早くも敗走を始めている。その報告を情報官から聞きながら、ジュリアスは次の指示を出していた。
 王国軍の敗走をジュリアスやアデネイドが見届けている頃、カストラル帝国陸軍総司令部に、センティア王国からの停戦申し入れがあった。
2007.04.15 はい
いつの間にか第四章始まってますねえ(笑)。
この章は結構重いと思いますよ。
いや、どの章も重いっちゃ重いですが。
前作と違ってあそこまでの長編にするつもりはないんで、
大きくはならないと思いますが…。
ええ、多分…(笑)。
 隣には、上機嫌な母。ジュリアスは口許に微笑を浮かべて車に揺られていた。
 セイジェル家の別荘は帝都から車で1時間半ほどの湖畔にある。帝都からあまり離れていないこともあり、手近な別荘地として貴族達には人気の場所だ。
 クレスティアとの夕食を済ませたジュリアスは、寝室のテラスで煙草を燻らせていた。母の前では絶対に吸わないようにしている。
 翌朝、よく晴れた空の下を散歩していると、クレスティアがジュリアスの袖を引いた。
「あの子はあんな風に言ってくれたけれど…。父を残していくことは、私にはできない気がするの。父も寂しい人なのよ。退役してからはめっきり老け込んでしまって。昔ほど、ジュリアスにきついことは言わなくなったし…」
 俯いていたクレスティアは、ゆっくりとゲノアの方を見た。
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