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2005.10.27
蒼の都の物語・2
酒場を出た彼は、夜風の中をゆっくりと歩いていた。
急ぐわけでもなく、足音も立てず滑るような足取りで。
口許には軽い笑み。そこだけ空気が違うようにさえ見える。
急ぐわけでもなく、足音も立てず滑るような足取りで。
口許には軽い笑み。そこだけ空気が違うようにさえ見える。
やがて曲がり角まで来たところで、彼は足を止めた。
「アイーシャ?」
すると陰から、剣を抱えた少女が不満そうに出てきた。
そして剣を投げ渡す。
「どういうつもりよ、エシャール」
「どういうつもりとは?」
エシャールと呼ばれた彼は、投げ渡された剣を腰に提げながら
軽く笑う。銀の鎖がシャラリと音をたてた。
「毎晩毎晩酒場に通って。大事な剣アタシに預けてさ」
エシャールはアイーシャの陽に焼けたような赤い髪を
くしゃりと撫でた。
「酒場に剣は要らぬ。それに、お前のような子供を連れていく
わけにもいくまい?」
「そんなこと言ってるんじゃないでしょ?アタシはっ…」
まだ不満を言い続けようとするアイーシャに、エシャールが
右手を差し出した。
「もういいではないか。夕飯の支度はできているのだろう?
さ、帰ろう」
その微笑みがあまりに美しくて、差し出された右手があまりに
優しくて、アイーシャは何も考えずに手を伸ばした。
夜風は、エシャールの手のように優しかった。
「アイーシャ?」
すると陰から、剣を抱えた少女が不満そうに出てきた。
そして剣を投げ渡す。
「どういうつもりよ、エシャール」
「どういうつもりとは?」
エシャールと呼ばれた彼は、投げ渡された剣を腰に提げながら
軽く笑う。銀の鎖がシャラリと音をたてた。
「毎晩毎晩酒場に通って。大事な剣アタシに預けてさ」
エシャールはアイーシャの陽に焼けたような赤い髪を
くしゃりと撫でた。
「酒場に剣は要らぬ。それに、お前のような子供を連れていく
わけにもいくまい?」
「そんなこと言ってるんじゃないでしょ?アタシはっ…」
まだ不満を言い続けようとするアイーシャに、エシャールが
右手を差し出した。
「もういいではないか。夕飯の支度はできているのだろう?
さ、帰ろう」
その微笑みがあまりに美しくて、差し出された右手があまりに
優しくて、アイーシャは何も考えずに手を伸ばした。
夜風は、エシャールの手のように優しかった。
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