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2006.09.01
蒼の都の物語・328
「碧の執政官家よりお祝いの品をお届けにあがりました」
レオニードが碧の都に戻ってすぐに手配をしたらしい。玄関には次々と品物が運び込まれ、エシャールの苦笑を誘う。
「祖父君が報せたとみえる。レオニード殿にはまだお知らせしていなかったというのに…」
天の月の儀式も終わり、エシャールは一段落していた。天帝生誕祭だけは民のためにやらないわけにもいかず、仕方なく儀式を行った。民は満足したようだったし、我が子の誕生も民は喜んでくれたし、今回はこれでいいだろうと納得することにした。
2年前は心を閉ざしていたアイーシャとふたり、丘の上で花火を眺めていたことを思えば、今は幸せだ。
「旦那様、泉の執政官家からもお祝いの品が」
「セアラとリューラスか…。幸せにやっているようだな。書状ひとつ寄越してこないところを見ると」
「そのようでございますね。よろしゅうございました。海の都しか知らぬお嬢様ですから、泉の都でやっていけるのかと心配でしたが」
「全くだ。…まあ、幸せにやっているならばそれでよかろう。…さて、そろそろ戻るか。マデレーナは私がいないと機嫌が悪いらしいから」
セルディアスとマデレーナ・アイーシャが生まれてから1ヶ月。ようやくアイーシャも健康を取り戻し、寝台から離れられるようになった。最初の頃ほど子供達の部屋に入り浸っているというわけではないが、やはり顔は見ていたいらしい。執務の合間や授乳の時間にはほとんど子供部屋である。
「アイーシャ、子供達は良い子か?」
熱の月の暑さ故に子供達はよく汗をかく。一日に何度も着替えさせるだけでも大変だ。アイーシャの負担を心配したリリスがいつも手伝ってくれている。
「ああ、リリス。いてくれたのだな。着替えは終わったか?」
「はい、旦那様。たった今終えたところでございます。…お嬢様、お父上様がいらっしゃいましたよ」
リリスが着替え終えたばかりのマデレーナをエシャールに抱き渡す。軽くぐずり気味だったマデレーナはエシャールの腕の中でうとうとと眠り始めた。
「まあ、やっぱりマデレーナはおとうさまが大好きなのね」
「そなたと同じ名前を持っているのだ、当たり前だろう」
「あなたったら…」
当然と言わんばかりに微笑むエシャールがまるで子供のようで、思わず笑ってしまう。左腕でマデレーナを抱いて、右手をアイーシャの顔にのばす。
「今日は体調がいいようだな。…おかあさまに何かあっては大変だ、無理はせぬように」
「はい、あなた…」
出逢った頃は元気のかたまりのようだったアイーシャが、子供を産んでからは体調がなかなかよくならない。双子を出産したからだろうと周りは言うが、唯一医科の知識のあるレットが違う見解を示していた。
『無理に成長を止めていたツケが来ているのではないか』
と。実際アイーシャは今年何歳になるのかわからないし、身体に無理をさせていたのは事実だ。そのために体力の回復に時間がかかるのではないかと言うのである。似たようなことを考えていたエシャールは、決してアイーシャをひとりにしないように気をつけた。必ず誰かが傍にいて、アイーシャと子供達を守っている。ゼニスであったり、リリスであったり、時にはレットであったりもする。
「マデレーナ、おかあさまを困らせるなよ。セルディアスもな」
二人を抱きかかえて、エシャールは笑う。大して夜泣きもせず、今のところは親孝行な子供達である。
「本当にいい子達よ。おとうさまに似たのかしら?」
「さあ、どうだろうな」
自分が乳飲み子であった頃の話など、聞いたことはない。適度な揺れですやすやと眠り始めた子供達をそっと寝台に寝かせて、エシャールは出ていった。
「祖父君が報せたとみえる。レオニード殿にはまだお知らせしていなかったというのに…」
天の月の儀式も終わり、エシャールは一段落していた。天帝生誕祭だけは民のためにやらないわけにもいかず、仕方なく儀式を行った。民は満足したようだったし、我が子の誕生も民は喜んでくれたし、今回はこれでいいだろうと納得することにした。
2年前は心を閉ざしていたアイーシャとふたり、丘の上で花火を眺めていたことを思えば、今は幸せだ。
「旦那様、泉の執政官家からもお祝いの品が」
「セアラとリューラスか…。幸せにやっているようだな。書状ひとつ寄越してこないところを見ると」
「そのようでございますね。よろしゅうございました。海の都しか知らぬお嬢様ですから、泉の都でやっていけるのかと心配でしたが」
「全くだ。…まあ、幸せにやっているならばそれでよかろう。…さて、そろそろ戻るか。マデレーナは私がいないと機嫌が悪いらしいから」
セルディアスとマデレーナ・アイーシャが生まれてから1ヶ月。ようやくアイーシャも健康を取り戻し、寝台から離れられるようになった。最初の頃ほど子供達の部屋に入り浸っているというわけではないが、やはり顔は見ていたいらしい。執務の合間や授乳の時間にはほとんど子供部屋である。
「アイーシャ、子供達は良い子か?」
熱の月の暑さ故に子供達はよく汗をかく。一日に何度も着替えさせるだけでも大変だ。アイーシャの負担を心配したリリスがいつも手伝ってくれている。
「ああ、リリス。いてくれたのだな。着替えは終わったか?」
「はい、旦那様。たった今終えたところでございます。…お嬢様、お父上様がいらっしゃいましたよ」
リリスが着替え終えたばかりのマデレーナをエシャールに抱き渡す。軽くぐずり気味だったマデレーナはエシャールの腕の中でうとうとと眠り始めた。
「まあ、やっぱりマデレーナはおとうさまが大好きなのね」
「そなたと同じ名前を持っているのだ、当たり前だろう」
「あなたったら…」
当然と言わんばかりに微笑むエシャールがまるで子供のようで、思わず笑ってしまう。左腕でマデレーナを抱いて、右手をアイーシャの顔にのばす。
「今日は体調がいいようだな。…おかあさまに何かあっては大変だ、無理はせぬように」
「はい、あなた…」
出逢った頃は元気のかたまりのようだったアイーシャが、子供を産んでからは体調がなかなかよくならない。双子を出産したからだろうと周りは言うが、唯一医科の知識のあるレットが違う見解を示していた。
『無理に成長を止めていたツケが来ているのではないか』
と。実際アイーシャは今年何歳になるのかわからないし、身体に無理をさせていたのは事実だ。そのために体力の回復に時間がかかるのではないかと言うのである。似たようなことを考えていたエシャールは、決してアイーシャをひとりにしないように気をつけた。必ず誰かが傍にいて、アイーシャと子供達を守っている。ゼニスであったり、リリスであったり、時にはレットであったりもする。
「マデレーナ、おかあさまを困らせるなよ。セルディアスもな」
二人を抱きかかえて、エシャールは笑う。大して夜泣きもせず、今のところは親孝行な子供達である。
「本当にいい子達よ。おとうさまに似たのかしら?」
「さあ、どうだろうな」
自分が乳飲み子であった頃の話など、聞いたことはない。適度な揺れですやすやと眠り始めた子供達をそっと寝台に寝かせて、エシャールは出ていった。
かんげつ
私のところに遊びに来てくれて
ありがとうございます(*^^*)
一気に17話まで読んでしまいました!
もう引き込まれるようにスルスルと
頭の中に文章が入ってきました。
表現とか、とても綺麗ですね!
頭の中で光景が浮かんできます。
二人が口づけをした時には
思わず涙が出そうになってしまい
「良かった・・」
と本当に思いました。
さっそくリンクいたしました!
これからも宜しくお願いいたします(*^^*)
ありがとうございます(*^^*)
一気に17話まで読んでしまいました!
もう引き込まれるようにスルスルと
頭の中に文章が入ってきました。
表現とか、とても綺麗ですね!
頭の中で光景が浮かんできます。
二人が口づけをした時には
思わず涙が出そうになってしまい
「良かった・・」
と本当に思いました。
さっそくリンクいたしました!
これからも宜しくお願いいたします(*^^*)
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