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2007.09.01
眠れない夜を紡いで・114
昨日、共和国軍が仕掛けてきた作戦は、数隻の小型船で帝国軍の船を取り囲み集中砲火するというもので、帝国側は反撃がほとんどできないままに一日が終わってしまった。
それでも全滅の憂き目をみなかったのは、陸軍が陸側から援護してくれていたからだ。敗走するだけの余裕がまだ残っていた。
まさに十数年振りの大敗走というべき失態だった。それだけの失敗を、今日一日で挽回せねばならない。しかも、ジュリアス・セイジェルを納得させられるだけの作戦をたてて。
「海上での戦いは、奇襲はあまり効果はありません。ならば、違うところから奇襲すればよいのですよ。空ではこちらも危ない。空軍パイロットが皆が皆リスティ少将のような腕利きではないのですから。ならばどこからか」
戦況盤を指し示しながらダインは説明を続ける。海上に味方の艦船はなく、主力艦の配備さえ見える様子はない。あるのは敵の駒だけである。
「陸から、ですよね?」
ケントは腕組みをしたままで聞いている。他の将官達もダインの用意した戦況盤に驚くばかりだ。
「この沿岸は陸軍が守ってくれるということなんですか?ケント閣下」
「あ…ああ、そこは陸軍基地からすぐの場所だから、セイジェル中将の守備範囲だ」
「ふむ…。セイジェル閣下がこの沿岸を失うような真似をなさるとは思えませんしね。ではこの沿岸はどうあっても陸軍に死守していただきましょう。ここを見ていただけますか」
ダインが沿岸の一部を示す。
「ここは敵にとって死角になります。セイジェル閣下もおそらくはご存じだろうと思います。ここは建物と森林で主力艦が少なくとも3隻は隠れることが可能です。最も攻撃力のある艦を配備し、ここから敵に奇襲を仕掛けます。残りは敵が目視できるぎりぎりのところまで下がっておきます。ある程度誘い込めたところで…」
駒が綺麗に円を描く。共和国軍が完全に囲まれた形になる。
「退路を断ちます。その外側は、空軍に任せます。沿岸からは陸軍の援護。しかも昨日は敵戦闘機を7機も陸軍だけで撃墜したそうではないですか。陸軍の攻撃に間違いはないでしょう。これで今日は海軍が最も大きな勝利を挙げることができるはずです」
「しかしそんな攻撃力のある艦といえば…」
ケントが口を挟むと、ダインは笑顔を見せる。
「第三元帥府第一師団の主力艦を連れて来ました。セイジェル閣下がいらっしゃった頃の首席戦艦レジオノーラを」
「「レジオノーラ…!」」
将官達が唖然とする。レジオノーラはジュリアスだけに使うことが許された、帝国の技術の粋を極めた大戦艦なのである。しかも操れるのは第一師団の水夫だけときている。指揮官席に座るジュリアスが不在のため、今回の戦争にも使われないだろうと誰もが思ってミストのドックにあるのを横目に見ながら出陣したのだ。
そのレジオノーラを、ダインは持ち込んだと言う。
「レジオノーラ出撃は総司令官閣下にお許しいただきました。かつてはセイジェル閣下の許で共に戦った仲間達です。すぐに動いてくれました。第三元帥府が戦うのに、レジオノーラなしでは絵になりますまい」
「これなら…今日は間違いなく勝てる…。ダイン、これは書面にしているか」
「はい。こちらに。戦況盤の方も写していますから、これをお持ち下さい。私はお供しません。閣下も極力私の名前はお出しにならずに」
「…それでいいのか?」
不思議そうなケントに、ダインはジュリアス譲りの笑みを見せる。
「これで何もお気づきにならないようなセイジェル閣下ではありませんよ」
「わかった。では皆、配置についてくれ。すぐに戻る」
「「はっ」」
背筋の寒くなる思いで、ケントは陸軍基地に走った。
まさに十数年振りの大敗走というべき失態だった。それだけの失敗を、今日一日で挽回せねばならない。しかも、ジュリアス・セイジェルを納得させられるだけの作戦をたてて。
「海上での戦いは、奇襲はあまり効果はありません。ならば、違うところから奇襲すればよいのですよ。空ではこちらも危ない。空軍パイロットが皆が皆リスティ少将のような腕利きではないのですから。ならばどこからか」
戦況盤を指し示しながらダインは説明を続ける。海上に味方の艦船はなく、主力艦の配備さえ見える様子はない。あるのは敵の駒だけである。
「陸から、ですよね?」
ケントは腕組みをしたままで聞いている。他の将官達もダインの用意した戦況盤に驚くばかりだ。
「この沿岸は陸軍が守ってくれるということなんですか?ケント閣下」
「あ…ああ、そこは陸軍基地からすぐの場所だから、セイジェル中将の守備範囲だ」
「ふむ…。セイジェル閣下がこの沿岸を失うような真似をなさるとは思えませんしね。ではこの沿岸はどうあっても陸軍に死守していただきましょう。ここを見ていただけますか」
ダインが沿岸の一部を示す。
「ここは敵にとって死角になります。セイジェル閣下もおそらくはご存じだろうと思います。ここは建物と森林で主力艦が少なくとも3隻は隠れることが可能です。最も攻撃力のある艦を配備し、ここから敵に奇襲を仕掛けます。残りは敵が目視できるぎりぎりのところまで下がっておきます。ある程度誘い込めたところで…」
駒が綺麗に円を描く。共和国軍が完全に囲まれた形になる。
「退路を断ちます。その外側は、空軍に任せます。沿岸からは陸軍の援護。しかも昨日は敵戦闘機を7機も陸軍だけで撃墜したそうではないですか。陸軍の攻撃に間違いはないでしょう。これで今日は海軍が最も大きな勝利を挙げることができるはずです」
「しかしそんな攻撃力のある艦といえば…」
ケントが口を挟むと、ダインは笑顔を見せる。
「第三元帥府第一師団の主力艦を連れて来ました。セイジェル閣下がいらっしゃった頃の首席戦艦レジオノーラを」
「「レジオノーラ…!」」
将官達が唖然とする。レジオノーラはジュリアスだけに使うことが許された、帝国の技術の粋を極めた大戦艦なのである。しかも操れるのは第一師団の水夫だけときている。指揮官席に座るジュリアスが不在のため、今回の戦争にも使われないだろうと誰もが思ってミストのドックにあるのを横目に見ながら出陣したのだ。
そのレジオノーラを、ダインは持ち込んだと言う。
「レジオノーラ出撃は総司令官閣下にお許しいただきました。かつてはセイジェル閣下の許で共に戦った仲間達です。すぐに動いてくれました。第三元帥府が戦うのに、レジオノーラなしでは絵になりますまい」
「これなら…今日は間違いなく勝てる…。ダイン、これは書面にしているか」
「はい。こちらに。戦況盤の方も写していますから、これをお持ち下さい。私はお供しません。閣下も極力私の名前はお出しにならずに」
「…それでいいのか?」
不思議そうなケントに、ダインはジュリアス譲りの笑みを見せる。
「これで何もお気づきにならないようなセイジェル閣下ではありませんよ」
「わかった。では皆、配置についてくれ。すぐに戻る」
「「はっ」」
背筋の寒くなる思いで、ケントは陸軍基地に走った。
海月
申し訳ないです^^;
そうですよね、年上なのに
ジュリアスより年下に思えてしまいました^^;
ダインったら、大胆です^^;
ジュリアスは一体、どのように思うのでしょうか?
これもジュリアスの想定内だったりして。
そうですよね、年上なのに
ジュリアスより年下に思えてしまいました^^;
ダインったら、大胆です^^;
ジュリアスは一体、どのように思うのでしょうか?
これもジュリアスの想定内だったりして。
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