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2005.12.05
蒼の都の物語・56
新年を祝う花火を、ふたりは今年も屋根の上で眺めていた。
「また一緒に花火見れたね、エシャール」
「そうだな」
去年と違うのは、幼いだけの少女ではないということ。そしてお互いが愛し合って
いるとわかっていること。
エシャールはもう定番になってしまった体勢で、アイーシャを背後から抱きしめている。
アイーシャもそれが安心できるのか、エシャールに寄りかかってうっとりと花火を
見上げていた。
「ねぇ、エシャール」
「うん?」
「アタシ、ちょっと大人になったでしょ?」
大人になった。確かに。毎晩寝顔を見るのが辛いと感じそうになるほどに。
「どこが?」
それでも本音は言わない。それにはまだ早いから。
「見た目とか…いろんなとこ」
エシャールは少し頬を赤らめて俯いているアイーシャを包み込むように優しく
抱きしめて、答えた。
「お前は最初から大人だったよ、心は。行動力も、私が苦笑するほどあったよな…」
確かに空の都にいた頃から、エシャールは並みの子どもではそうはいくまいと、
よく苦笑していた気がする。
「でもそうだな…一番大人になったと思うところは、キスが上手になったことだな」
毎晩寝る前になると、アイーシャがエシャールの首に抱きついて甘える。エシャールは
そんなアイーシャを優しく抱き上げながら甘い口づけを与えて、寝台に横たえるという
毎日が続いているのである。
必死に求めてくる手を、払いのける理由はない。むしろその手を求めていたのは、
自分の方なのだ。抱きついたままで眠りにつくアイーシャを見守りながら、いつも
エシャールは笑顔を浮かべる。
「もう!エシャールったら!」
真っ赤になって振り返ったアイーシャに、エシャールは笑って口づけた。
ふたりの頭上で、花火がいつまでもあがっていた。
「そうだな」
去年と違うのは、幼いだけの少女ではないということ。そしてお互いが愛し合って
いるとわかっていること。
エシャールはもう定番になってしまった体勢で、アイーシャを背後から抱きしめている。
アイーシャもそれが安心できるのか、エシャールに寄りかかってうっとりと花火を
見上げていた。
「ねぇ、エシャール」
「うん?」
「アタシ、ちょっと大人になったでしょ?」
大人になった。確かに。毎晩寝顔を見るのが辛いと感じそうになるほどに。
「どこが?」
それでも本音は言わない。それにはまだ早いから。
「見た目とか…いろんなとこ」
エシャールは少し頬を赤らめて俯いているアイーシャを包み込むように優しく
抱きしめて、答えた。
「お前は最初から大人だったよ、心は。行動力も、私が苦笑するほどあったよな…」
確かに空の都にいた頃から、エシャールは並みの子どもではそうはいくまいと、
よく苦笑していた気がする。
「でもそうだな…一番大人になったと思うところは、キスが上手になったことだな」
毎晩寝る前になると、アイーシャがエシャールの首に抱きついて甘える。エシャールは
そんなアイーシャを優しく抱き上げながら甘い口づけを与えて、寝台に横たえるという
毎日が続いているのである。
必死に求めてくる手を、払いのける理由はない。むしろその手を求めていたのは、
自分の方なのだ。抱きついたままで眠りにつくアイーシャを見守りながら、いつも
エシャールは笑顔を浮かべる。
「もう!エシャールったら!」
真っ赤になって振り返ったアイーシャに、エシャールは笑って口づけた。
ふたりの頭上で、花火がいつまでもあがっていた。
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