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2008.04.11
眠れない夜を紡いで・197
コーデルの自家用車に乗って、ジュリアス達は離宮近くまで来た。正門前には近衛兵が数名。周りを陸軍兵が見回っている。敷地内にも近衛兵が立っているようだ。
「どのくらいの頻度で現れるんだ、その不審車は」
窓を少し開けてから煙草に火をつける。乗る前に自由に喫煙してかまわないとコーデルに言われたが、喫煙者ではないコーデルの車に煙草の匂いをつけるのも躊躇われたのだ。
「日に一度くらいですね。夜はほとんど現れません。夜間は陸軍が二重に警護を固めますので、それで来ないのではないかと」
「白昼堂々か…。しかも追跡を逃れるのか。なかなかの腕前と見るべきか…。他に気付いたことはないのか?」
コーデルはしばらく考えていたが、ようやく何か思い出したのか後部座席のジュリアスを振り返った。
「そういえば、皇女殿下がセイジェル家においでになる日には現れません。御婚儀も間近で外出も控えておられるので、毎日見かけるようになった気がします」
「…セイジェル家に行く日は来ない…?何だそれは」
ジュリアスはどうも納得いかないと言いたげな声で言った。
セイジェル家に行かない日に現れる。それは、つまり…。
「外出する日を知っているということじゃないのか。どこからかグレイスの行動が漏れているとは考えられないか?」
「あ…。ご指摘があるまで全く考えつきませんでした…」
「どこから漏れてるんだ…?」
いろいろ考えてみるが、答えが出ない。
「まあいい。とにかく離宮の中をあたってみるとしよう。とりあえずグレイスの顔を見に…」
そう言って車から降りようとすると、コーデルが叫んだ。
「閣下!あれです、あの車ですよ!!」
見れば黒い車が離宮の壁に沿って走っているのが見えた。
「追え!!」
「はい!」
コーデルの車が追いついてくるのに気付いたのか、車はすぐに猛スピードで逃走を開始した。小さな抜け道を知っているらしい。見失わないようにするだけで必死だ。
このまま行くと帝都大通りに入ってしまう。あんな大通りで騒ぎを起こすわけにはいかない。向こうもそれがわかっているのだろう。なるだけ早く大通りへ抜けようとしている。
「させるか!!」
ジュリアスは後部座席から腕を伸ばし、ハンドルを握った。
「閣下??」
「いいからお前はアクセルを踏み続けろ!この車に何かあったら私が責任を持つ!!ロイドお前は掴まってろ!!」
「「は、はい!!」」
本当はシートを倒させたいところだったが、もうこれだけのスピードが出ている中でそれは無理だった。何とか追いついて、逃走を中止させなければ。
「ロイド、あとどのくらいで帝都大通りだ」
「多分あと通り3本程度です」
「…アクセルを踏み込め!!!」
激しい音をたてながら車は角を目前に左へ曲がった。この速さなら何とか回り込めるはずだ。ジュリアスは何度かハンドルを切りながら、不審車が出てくるであろう路地に向かった。
「…よし。お前達、しっかり掴まってろ」
ジュリアスの読み通り、車が飛び出してきた。コーデルの車がまさかここに来ているとは思わなかったのか、慌ててブレーキを踏んでいる。
「コーデル、ブレーキだ。ハンドルも任せる」
ジュリアスは銃を握り、窓を開けた。車はブレーキを踏んだ後、後退するつもりらしい。
「逃れられると思うなよ」
車から身を乗り出したジュリアスはそう言い、車のタイヤ目がけて数発撃った。弾は確実にタイヤに当たり、制御できなくなった車はくるくると回り、街灯に衝突した。
窓を少し開けてから煙草に火をつける。乗る前に自由に喫煙してかまわないとコーデルに言われたが、喫煙者ではないコーデルの車に煙草の匂いをつけるのも躊躇われたのだ。
「日に一度くらいですね。夜はほとんど現れません。夜間は陸軍が二重に警護を固めますので、それで来ないのではないかと」
「白昼堂々か…。しかも追跡を逃れるのか。なかなかの腕前と見るべきか…。他に気付いたことはないのか?」
コーデルはしばらく考えていたが、ようやく何か思い出したのか後部座席のジュリアスを振り返った。
「そういえば、皇女殿下がセイジェル家においでになる日には現れません。御婚儀も間近で外出も控えておられるので、毎日見かけるようになった気がします」
「…セイジェル家に行く日は来ない…?何だそれは」
ジュリアスはどうも納得いかないと言いたげな声で言った。
セイジェル家に行かない日に現れる。それは、つまり…。
「外出する日を知っているということじゃないのか。どこからかグレイスの行動が漏れているとは考えられないか?」
「あ…。ご指摘があるまで全く考えつきませんでした…」
「どこから漏れてるんだ…?」
いろいろ考えてみるが、答えが出ない。
「まあいい。とにかく離宮の中をあたってみるとしよう。とりあえずグレイスの顔を見に…」
そう言って車から降りようとすると、コーデルが叫んだ。
「閣下!あれです、あの車ですよ!!」
見れば黒い車が離宮の壁に沿って走っているのが見えた。
「追え!!」
「はい!」
コーデルの車が追いついてくるのに気付いたのか、車はすぐに猛スピードで逃走を開始した。小さな抜け道を知っているらしい。見失わないようにするだけで必死だ。
このまま行くと帝都大通りに入ってしまう。あんな大通りで騒ぎを起こすわけにはいかない。向こうもそれがわかっているのだろう。なるだけ早く大通りへ抜けようとしている。
「させるか!!」
ジュリアスは後部座席から腕を伸ばし、ハンドルを握った。
「閣下??」
「いいからお前はアクセルを踏み続けろ!この車に何かあったら私が責任を持つ!!ロイドお前は掴まってろ!!」
「「は、はい!!」」
本当はシートを倒させたいところだったが、もうこれだけのスピードが出ている中でそれは無理だった。何とか追いついて、逃走を中止させなければ。
「ロイド、あとどのくらいで帝都大通りだ」
「多分あと通り3本程度です」
「…アクセルを踏み込め!!!」
激しい音をたてながら車は角を目前に左へ曲がった。この速さなら何とか回り込めるはずだ。ジュリアスは何度かハンドルを切りながら、不審車が出てくるであろう路地に向かった。
「…よし。お前達、しっかり掴まってろ」
ジュリアスの読み通り、車が飛び出してきた。コーデルの車がまさかここに来ているとは思わなかったのか、慌ててブレーキを踏んでいる。
「コーデル、ブレーキだ。ハンドルも任せる」
ジュリアスは銃を握り、窓を開けた。車はブレーキを踏んだ後、後退するつもりらしい。
「逃れられると思うなよ」
車から身を乗り出したジュリアスはそう言い、車のタイヤ目がけて数発撃った。弾は確実にタイヤに当たり、制御できなくなった車はくるくると回り、街灯に衝突した。
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