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2005.12.29
蒼の都の物語・83
バザールに10日ほど滞在してから、ふたりは泉(せん)の都に入った。
バザールで衣を売っていた商人が言っていたとおり、聖なる泉は旅人にも開放されて
いるようだ。あちこちに泉の場所を示す看板がたっている。
ふたりはその賑やかな街で、客引きをかわしながら歩を進めていた。
そろそろ宿でも決めようかと考えたエシャールは言った。
「どうする。すぐにでも泉に向かうか?」
振り返ると、アイーシャがウィンディアの背中で青ざめた顔で蹲っている。
「アイーシャ??」
慌てて馬を止めると、アイーシャが何でもないと言いたげに首を横に振った。
「何でもないことはないだろう。こんな青い顔をして!」
「何でもないの…。ちゃんと説明するから…宿を取って…」
エシャールは仕方なく宿を取り、抱えられるのを嫌がるアイーシャに不審なものを
感じながら部屋に入った。
『何故具合が悪いことを言わなかったのだ。今朝はそんなに辛そうではなかったのに』
先に部屋に入ったエシャールは、荷物を寝台に放って、腕を組んで窓辺に寄りかかった。
「…で?」
遅れて入ってきたアイーシャに、エシャールは不機嫌そうに尋ねた。
何故かアイーシャは真っ赤な顔でうつむいている。
「アイーシャ」
苛ついたエシャールの呼びかけに、アイーシャはおずおずと答えた。
「…あの…あのね…。アタシ…ちゃんと成長…してるみたいでね…。そのね…
赤ちゃんが産める体にね…その…」
そこまで聞いて、ようやくエシャールはアイーシャの赤面の理由がわかったらしい。
「す、すまない!いらぬことを訊いた」
アイーシャが顔をあげると、エシャールが本当に真っ赤な顔をしているではないか。
いるようだ。あちこちに泉の場所を示す看板がたっている。
ふたりはその賑やかな街で、客引きをかわしながら歩を進めていた。
そろそろ宿でも決めようかと考えたエシャールは言った。
「どうする。すぐにでも泉に向かうか?」
振り返ると、アイーシャがウィンディアの背中で青ざめた顔で蹲っている。
「アイーシャ??」
慌てて馬を止めると、アイーシャが何でもないと言いたげに首を横に振った。
「何でもないことはないだろう。こんな青い顔をして!」
「何でもないの…。ちゃんと説明するから…宿を取って…」
エシャールは仕方なく宿を取り、抱えられるのを嫌がるアイーシャに不審なものを
感じながら部屋に入った。
『何故具合が悪いことを言わなかったのだ。今朝はそんなに辛そうではなかったのに』
先に部屋に入ったエシャールは、荷物を寝台に放って、腕を組んで窓辺に寄りかかった。
「…で?」
遅れて入ってきたアイーシャに、エシャールは不機嫌そうに尋ねた。
何故かアイーシャは真っ赤な顔でうつむいている。
「アイーシャ」
苛ついたエシャールの呼びかけに、アイーシャはおずおずと答えた。
「…あの…あのね…。アタシ…ちゃんと成長…してるみたいでね…。そのね…
赤ちゃんが産める体にね…その…」
そこまで聞いて、ようやくエシャールはアイーシャの赤面の理由がわかったらしい。
「す、すまない!いらぬことを訊いた」
アイーシャが顔をあげると、エシャールが本当に真っ赤な顔をしているではないか。
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