宿への道のりを感慨深げに歩いていたふたりだったが、アイーシャの問いかけで
その歩みが止まった。
 エシャールは少し躊躇ったが、白夜の剣を抜いてみせた。
 エシャールも何かが心の片隅に影を落としていることに気付き始めていた。
 ふたりの会話が途切れたのを見計らうように、来客が告げられた。
 エシャールの表情が変わったことに、執政官も気付いたらしい。
 翌朝、エシャールは荷物をまとめ、アイーシャの手をひいて階下に下りた。
 エシャールが新しい住まいに定めたのは、聖都から最も遠い方角にある片田舎で、
小さな市場と酒場の他には何もない土地だった。
 エシャールの心の底からの叫びだった。
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